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研究領域:スポーツマネジメント、スポーツ経営学、イベントマネジメント

研究キーワード:スポーツツーリズム、スポンサーシップ、バーチャルスポーツ、ヘリテージ、イノベーション、調和、持続可能性、社会的インパクト評価

研究の関心:「量から質へ」、「消費者から主催者・ステークホルダーへ」、「スポンサーシップからパートナーシップへ」、「バーチャルからリアルへ」、「インパクトからレバレッジへ」、「レガシーからヘリテージへ」、「イノベーション(革新)とヘリテージ(遺産)の調和」、「連携から協働へ」

これまでの調査実績

<現在>

・箱根駅伝におけるヘリテージスポーツツーリズム推進に向けた場所の意味づけの役割(主担当)

​・ベルギーのフランダース地方を対象としたヘリテージスポーツツーリズムの推進(主担当)

・神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会を契機としたダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE & I)の創出(副担当)

・神戸マラソン参加者(主担当)・インバウンド調査(主担当)・ボランティア調査(プロジェクトメンバー)

・ レッドハリケーンズ大阪観戦者調査​(​3回生ゼミプロジェクト)

<過去>

​・松本山雅FC、ガイナーレ鳥取の事業を対象としたSROIの測定

ヴァーチャルサイクリストのオンラインコミュニティ調

・赤穂シティマラソン大会参加者調査

・企業交流運動会 in KOBE参加者調査

・有馬-六甲 Virtual Ride Race参加者調査

・ツール・ド・おきなわ、ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム主催者・ステークホルダー調査

・市民マラソン(NAHAマラソン、湘南国際マラソン、大阪城公園ナイトラン)

・野球(愛知ディオーネ、兵庫ブルーサンダーズ)

・ラグビー(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)

・テニス(JAPAN WOMEN‘S OPEN TENNIS)

・ラフティング(ラフティング世界選手権2017)

・トレイルランニング、トライアスロン、ゴルフ、サッカー、キャンプ  (東京2020事前合宿、プロ野球沖縄キャンプ)

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具体的な研究内容:

スポーツイベントが開催地域にもたらす有形・無形の効果とレバレッジ戦略

 全国各地において参加型・観戦型、またメガ・ノンメカといったスポーツイベントが開催される中、それらのスポーツイベントが開催国や開催地域にどのような効果(インパクト)をもたらしているのかを、トリプルボトムライン(経済・社会・環境)の枠組みを用い、持続可能性を考慮しながら、実証研究を行っている。また、スポーツイベントの効果を最大化させるために、主催者やステークホルダーがどのようなレバレッジ戦略を行っているのか、探索的に調査を実施している。2020年4月より社会効果の定量化を目指し、SROI(Social Return on Investment:社会的投資収益率)の枠組みを用いた、日本初の実証研究を押見大地先生(東海大学)、福原崇之先生(北海道教育大学)、株式会社ザスモールシングス(田上悦史氏)と共同で進めている。

【主な研究業績】

​・Yamaguchi, S., Oshimi, D., & Derom, I. (2024). How do event organizers and stakeholders collaborate to achieve the event’s strategic objectives? Leveraging the Tour de Okinawa. Journal of Convention & Event Tourism, Advanced online.

Oshimi, D., & Yamaguchi, S. (2023). Leveraging Strategies of Recurring Non-mega Sporting Events for Host Community Development: A Multiple Case Study Approach. Sport, Business and Management, 13(1), 19-36.

Yamaguchi, S., Yamaguchi, Y., & Nogawa. H. (2022). The Perceived Impacts of Non-Mega Sporting Events among Host Residents: A Pre-Post Analysis of the Kobe Marathon. Event Management, 26(2), 369-385.

​・Oshimi, D., Yamaguchi, S., Fukuhara, T., & Tagami, Y. (2022). Calculating Social Return on Investment of a Japanese Professional Soccer Team's Corporate Social Responsibilities Activities. Frontier in Sports and Active Living, 3:736595.

・Oshimi, D., Yamaguchi, S., Fukuhara, T., & Taks, M. (2021). Expected and Experienced Social Impact of Host Residents During Rugby World Cup 2019: A Panel Data Approach. Frontiers in Sports and Active Living3:628153.

・山口志郎・押見大地 (2020) サイクルイベントから生じるインパクトの最大化:ステークホルダー視点のイベントレバレッジ戦略と社会効果の検証. 2019年度笹川スポーツ研究助成研究成果報告書, 9(1), 46-52.

・山口志郎・押見大地・福原崇之 (2018) スポーツイベントが開催地域にもたらす効果:先行研究の検討. 体育学研究, 63(1), 13-32.

【助成先・外部資金】

株式会社フューチャーセッションズとの共同研究:スポーツ組織の事業活動に対するSROIの研究調査(2020.4.1-2021.12.31, 2021.12.1-)

スポーツの社会的影響度を可視化する、「Sports Social Impact Lab」始動!

〜スポーツの社会的価値を可視化する初の実証実験〜 NPO法人松本山雅スポーツクラブが実施する巡回サッカー教室のSROI値(社会的投資収益率)を算出

スポーツ分野での環境取り組みの社会的価値を可視化する初の実証実験 Jリーグ・ガイナーレ鳥取が実施する芝生生産プロジェクト:「Shibafull(しばふる)」のSROI値(社会的投資収益率)を算出

​・スポーツイベントにおける社会効果の検証とイベントレバレッジ戦略の構築(研究代表者:押見大地、研究協力者:山口志郎、2019.4.1-2023.3.31)

・貨幣評価法を用いたスポーツから波及する無形効果の定量化(研究代表者:押見大地、研究協力者:山口志郎、2023.4.1-2027.3.31)

産学連携を通じた持続可能なスポーツツーリズムの地域資源開発とヘリテージスポーツツーリズムの推進

​ スポーツツーリズムは、定住・交流人口の拡大や訪日外国人の増加への期待から、様々な自治体において積極的に推進されており、兵庫県神戸市も例外ではない。神戸スポーツ産業懇話会では、2018年よりスポーツツーリズム・ワーキンググループを立ち上げ、スポーツツーリズムの推進を産学連携で進めている。管理者は、単に調査を行うだけではなく、イベント開催などを通じて自身も現場に入りながら、参加者・地域住民へのアンケートや主催者・ステークホルダーへのインタビューを総合的に分析し、スポーツツーリズムの推進に役立てるためのアクションリサーチを行っている。現在は、有馬温泉にてインドア・アウトドアサイクリングによるスポーツツーリズムの推進を兵庫県eスポーツ連合、有馬温泉観光協会と協働で進めている。2023年より、箱根駅伝やベルギーのフランダース地方を対象に、ヘリテージスポーツツーリズムに関する研究を伊藤央二先生(中京大学)とInge Derom先生(ブリュッセル自由大学)と行っている。

【助成金・外部資金】

・  箱根駅伝におけるヘリテージスポーツツーリズム推進に向けた場所の意味づけの役割. 科研費基盤研究(C)(研究代表者:360万円、2023.4.1-2026.3.31).

 バーチャルサイクリングを通じた有馬―六甲間のサイクルツーリズムの推進. 神戸市企画調整局 大学発アーバンイノベーション神戸 (研究代表者:250万円、2021.9.10-2023.3.31).

【主な研究業績】

​・山口志郎 (印刷中) ベルギーにおけるツアー・オブ・フランダースを活用したヘリテージスポーツツーリズムの推進. 生涯スポーツ学研究.

山口志郎(2021)第11節 スポーツイベントとツーリズム. 野川春夫 (編著) スポーツイベント検定公式テキスト「スポーツイベントの企画・運営に携わる人のための教科書」. 社団法人日本イベント産業振興協会, pp.148-160.

・山口志郎・山口泰雄・伊藤克広・藤本晋一・兵頭拓朗 (2019) 産学連携を通じた持続可能なスポーツツーリズムの地域資源開発:神戸市における新たなスポーツイベントの開催を目指して. 2018年度笹川スポーツ研究助成研究成果報告書, 8(1), 104-110.

・山口志郎・高松祥平・伊藤央二・岡安功 (2017) 中山間地域における持続可能なスポーツツーリズムの発展:四国吉野川のアウトドアスポーツを事例に. 生涯スポーツ学研究, 14(2), 41-52.

・山口志郎・秋吉遼子・山口泰雄 (2015) スポーツツーリズムの社会的効果に関する実証的研究:沖縄県名護市における地域住民の性別比較. 体育・スポーツ科学, 24, 19-29.

トレイルランニングにおける主催者のリスクマネジメントと参加者のリスク認知

​ 近年新たな生涯スポーツとして注目を集めるのが、トレイルランニングであり、国内において約300のイベントが開催されている。トレイルランニングイベントを開催する主催者は、いかにしてリスクマネジメントを実践するかが重要であり、その際主催者、参加者、または開催地域が起こりうるリスクを把握しておくことが、持続可能なイベント開催において重要である。本プロジェクトでは、トレイルランニングイベントを開催する主催者のリスクマネジメントを明らかにするために、リスクとリスク対策に着目し検証を行っている。また、参加者がそれらのリスクを認識し、自身で防衛行動を行っているかを、防護動機理論を用い実証研究を実施している。新型コロナウイルス感染症の影響により、様々なスポーツイベントが中止または延期になる中、本プロジェクトはリスクマネジメント研究の拡大に寄与する一資料となり得る研究である。なお本プロジェクトは、伊藤央二先生(中京大学)との共同研究である。

【主な研究業績】

・Yamaguchi, S., & Ito, E. (2021). Conceptualization of Perceived Risk from the Participant Perspective in Trail Running Events. International Journal of Sport and Health Science, 19, 102-109.

・山口志郎・伊藤央二 (2020) トレイルランニングイベントにおける主催者のリスクマネジメント:質的研究によるリスクとリスク対策の検討. 生涯スポーツ学研究, 17(1), 13-26.

【助成先・外部資金】

・トレイルランニングにおけるリスクマネジメントと参加者のリスク認知に関する実証研究. 科学研究費・若手研究B (研究代表:320万円、2017.4.1-2022.3.31).

バーチャルサイクリングにおけるオンラインコミュニティと社会的なつながり

​ 近年、屋内ないしは遠隔からオンラインを通じて参加できるバーチャルサイクリング(Virtual Cycling)が注目されている。バーチャルサイクリングの参加者はSNSを通じてオンラインコミュニティを形成し、そこで参加者間の社会的なつながり(Social Ties)を形成していると言われているが、その形成メカニズムは明らかにされていない。本プロジェクトでは、バーチャルサイクリングにおけるオンラインコミュニティの社会的なつながりの構造をソーシャルキャピタルの理論を用い、実証的に明らかにしている。なお本研究は、2021年度より開始したプロジェクトであり、現在ベルギーのInge Derom先生(ブリュッセル自由大学)と共同研究を行っている。

【主な研究業績】

​・山口志郎・伊藤央二 (2023) 赤穂シティマラソンオンライン大会におけるのめり込み度と参加意図の関連性. 生涯スポーツ学研究, 20(1), 23-31.

・内田遼介・山口志郎 (2021) 本邦におけるeスポーツの印象に関する調査:オンライン調査による探索的検討. 大阪体育学研究, 60, 1-8.

【助成先・外部資金】

・ヴァーチャルサイクリングイベントにおけるオンラインコミュニティと社会的なつながり. イベント学会2021年度研究助成 (研究代表:30万円:2021.4.1-2022.3.31).

スポーツ消費者行動(特に市民マラソン参加者)に関する研究

 参加型スポーツイベント、特に市民マラソンを対象に、参加者の消費者行動を分析している。具体的には、ツーリズム(観光)の視点から、ディスティネーション・ブランドエクイティの枠組みを用いた、ディスティネーションの認知やイメージ、ロイヤルティの測定を行っている。また、イベントマネジメントの観点から消費者経験クオリティとしてのコアサービスクオリティやサービスクオリティ、ソーシャルネットワーククオリティの測定やイベント満足度、快感情、イベント・コミュニティ愛着、参加者エンゲージメントとしての向社会的行動、運営協力、行動的ロイヤルティなどを測定している。

【主な研究業績】

​・Yamaguchi, S., & Yoshida, M. (2022). Effect of Consumer Experience Quality on Participant Engagement in Japanese Running Events. Sport Marketing Quarterly, 31(4), 278-291.

・山口志郎・伊藤央二 (2020) 市民マラソンにおけるイベント満足度がディスティネーションの認知、イメージ、及びロイヤルティに与える影響:参加者視点のディスティネーションブランド・エクイティの構築. スポーツ産業学研究, 30(1), 13-30.

・Yamaguchi, S., Akiyoshi, R., Yamaguchi, Y., & Nogawa, H. (2015). Assessing the effects of service quality, past experience, and destination image on behavioral intentions in the spring training camp of a Japanese professional baseball team. Journal of Convention & Event Tourism, 16(3), 228-252.

スポンサーシップ・リンク・マーケティング 4.0

 時代とともに、マーケティング手法は変化する中で、スポンサーシップの概念も変化を遂げている。スポンサーシップの変遷として、スポンサーシップの権利をどのように顧客(ステークホルダー)に販売するのかといった製品中心主義の「スポンサーシップ・リンク・マーケティン1.0(権利の提供)」、スポンサー企業のニーズを満たすことを目的とした顧客志向の「スポンサーシップ・リンク・マーケティング2.0(権利の活用)」、スポンサー企業の社会貢献や組織課題を解決しながら、投資対効果を測定する価値主導の「スポンサーシップ・リンク・マーケティング3.0(権利の測定)」、スポンサー企業の自己実現を図りながら、地域が抱える社会課題を解決する、自己実現・課題解決型の「スポンサーシップ・リンク・マーケティング4.0(権利の最大化)」がある。管理者の近年の関心は、企業がスポーツイベントのスポンサーシップを通じて権利を最大化しながら、自社のインナーマーケティングに取り組む事例である。また、企業がスポーツイベントへのスポンサーシップを通じて、どのようにCSV(Creating shared value:共有価値の創造)を体現するのかにも興味がある。そのような検証に興味がある共同研究者を募集している。2021年5月から2022年4月まで全12回に渡って、広報会議において「スポンサーシップ未来予想図」と題した連載を行った。

【主な研究業績】

備前嘉文・市川怜弥・山口志郎 (2024) 大学スポーツのイベントにおけるスポンサーシップの有効性:イベント出場校の関係者のスポンサーに対する態度に及ぼす影響. スポーツマネジメント研究, 16(1), 43-56.

・山口志郎 (2015) スポーツイベントにおけるスポンサーフィット:先行研究の検討. スポーツマネジメント研究, 7(1), 3-22 (日本スポーツマネジメント学会2016年度学会奨励賞).

・山口志郎・野川春夫・山口泰雄 (2014) 冠スポーツイベントにおけるパーソナリティ・フィットが消費者の購買行動に及ぼす影響:ブランド・パーソナリティを用いた定量分析. 生涯スポーツ学研究, 11(1), 13-25.

・山口志郎・野川春夫・北村薫・山口泰雄 (2010) スポーツイベントのスポンサーシップにおけるスポンサーフィットに関する研究:Gwinner and Bennettモデルの検証. スポーツマネジメント研究, 2(2), 147-161.

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